こんにちは、papatoです。
私は現在も岩手県の田舎で子ども2人を育てています。
田舎での出産について、パパ目線から見て感じたこと・失敗したなぁと思うことを書いていこうと思います。あと、少し珍しいことも体験しましたのでそれも書いていきます。
これから田舎で出産・家族を増やそうと思っている方の参考になれば幸いです。
産婦人科探し、そして出産直前までの道のり
都市部では大きい病院近くにあったりしますが、田舎では必ずしも設備の整った病院があるとは限りません。しかも、産婦人科がある病院でも自然分娩のみの場合があります。
無痛分娩や帝王切開ができない、小児科がなくて出産のため入院していたり、出産中に赤ちゃんに万が一のことが起こった場合に病院が対処できないということもあります。
そういう場合は対処できる病院まで救急車もしくは車でいかないといけません。
病院が決まったら、次は通う方法をどうするか考えないいけません。車や電車・バスで通うのか、車であれば誰が運転していくか、電車やバスであれば乗り継ぎどれぐらいするのか、ママの体に負担がかからないのかなどなかなかに苦労します。
ここからは私の体験談です
私が今住んでいる地域に引っ越してきて1年目に1人目が生まれ、それから2年後に2人目が生まれました。今思い出すと大変だったなぁーとしみじみ思いだします。
初めて妊娠がわかったときは嬉しすぎて時が止まったように感じましたね。結婚して3年目にして、子宝に恵まれました。それまでは、子どもが欲しくてもなかなかできずに2人で悩んでました。
「環境が変えたのがよかったのかなぁ」と思ったりしてました。それはさておき、産婦人科を探さなくてはなりません。
1.産婦人科探し
私の住んでいる地域には病院や産婦人科はありません。あるのは診療所だけ。産婦人科がある病院は隣の隣の市までいかないとありません。
選べる選択肢はなかったです。もうそこしかなかったですから…
それでも、ママと浮かれ気分で産婦人科にいき、お医者さんから話を聞いてました。今思えば、このときに病院の対応などもっと聞いておけばよかったなぁ。と後悔しましたね。その話はおいおいで…
2.妊婦検診までの交通手段
次は妊婦検診をどう通うかを悩みました。
車で片道1時間20分はかかります。電車だと最寄り駅まで車で30分くらい、電車で40分。病院までバスで15分ほどかかります。
どちらを選んでも約1時間半もかかってしまいます。話し合った結果、やはり車で通った方がいいと判断しました。公共交通機関で行くとまず乗り継ぎと発着時間の問題があります。
都市部だと、電車がくるのに30分~1時間の間にだいたい1回は電車はきますが、私が住んでいる田舎だと2~3時間に1回しかきません。それにバス待ち時間もありますし、妊婦検診はほぼ午前中だったので、現実的ではなかったですね。だから電車を使うことはありませんでしたね。
長距離の運転はさせたくなかったので、妊婦検診では私が連れて行ってました。会社の方でも理解があったので、繁忙期にも関わらず休みを取らせてくれたりと助かりました。
3.仕事の整理、休み取得
さきほども書きましたが、会社の方で理解があったので、休みを取らせてもらえましたがすべてが通るわけでもありませんでした。自分の仕事で周りにだいぶ負担がいってしまうからです。
それで不平不満が生まれると田舎なので、すぐに話などが広まってしまいます。ここは田舎ならではですね。いい意味でも悪い意味でも。
そうならないためにも会社の就業規則を読んでどういうルールがあるのかを調べてました。あとはそれを元に会社側と話し合い、折り合いをつけました。周りに負担がいかないように仕事の調整して、仕事の整理を1ヵ月単位でやっていました。突発的なものは丸投げ状態でしたけど…。( ´∀` )
妊婦検診がある日もまとめて伝えてました。
あと、もう1つ就業規則を調べるときに育児休業についてもみておくといいと思います。今でこそ育児休業について浸透していますが、私の会社では育児休業の理解はあまりありませんでした。
育児休業がちゃんと取れるのであれば取った方が楽ですよ。
出産直前で問題が続出…
妊娠後期になるまでは必要なものを揃えに買い物にいってきたり、体調がいい日は気分転換にデートにいったりとと順調に進みました。
本当に順調でしたが、妊娠後期に入って間もなく妊婦検診の際、
「妊娠中毒症の疑いがあります」、今だと名称が「妊娠高血圧症候群(HDP)」に
変わったそうです。
1.妊娠高血圧症候群(HDP)
「なんだそれ」と思ったのを覚えています。詳しく話を聞くと、血圧が上がってきているとのことで「今は少し様子をみましょう」と言われました。「今のところ、赤ちゃんは順調に育ってはいるが、このまま血圧が上がり続けると、母体も赤ちゃんも危険な状態になる」
さらに「このまま上がるようだと自然分娩はできないかもしれません。帝王切開も視野にいれないといけないかもしれません」と説明を受け、「この病院だと帝王切開ができませんので、転院が必要です」
2人とも頭の整理が追い付かない。どうすればと思い聞いたところ、「食生活を見直して、塩分の過剰摂取を控えてみましょう。まだ発症してはいないですが、このままだと食事制限をかねて入院してもらう場合もあります」
転院についてはここから車でさらに1時間走ったところに対応できる病院があるととのことで、もし何かあったときは家から約2時間半かけてその病院にいかないといけなくなりました。
妊婦検診のときにもっと聞いておけばよかったと後悔しました
帰りの車は空気が重かった。不安が一気に降りかかってきたからです。「食生活と血圧をはかって、様子をようか」と2人で話をしながら家に帰りました。
その日から塩分を控え始めました。だいたい摂取量7~9gになるよう食生活の改善したのですが、それでも血圧が下がる様子がありません。さらに、足にむくみがでるように…。
次の妊婦検診でやはり血圧は下がらず、お医者さんに「管理入院をしましょう。出産のための入院まで2週間早いですがすぐ対応できるようにしておきましょう」と説明を受けたのですが、急だったためなのか、不安なのか頭の処理が追い付いてない。
ママも不安な顔してました。私は「大丈夫、大丈夫」しか言えなかった…、情けない..
2.管理入院
入院自体は出産予定日の1週間前から入院する予定でした。自宅からは約1時間半かかるので、もしも陣痛や破水を起こした場合を考えて早めに入院しておく必要がありました。
田舎だと病院までどうしても時間がかかるので、早めに入院をした方がいいです
入院グッズを持ってこなければなりませんが、このときまだ入院グッズの準備をしていなかったのです。自宅に戻って、必要そうなもの引っ張り出し部屋が散らかろうが探しだし、急いでまた病院に届けにいきました。
ママに渡したら、「いらないのけっこーあるよー」って言われ笑われました…( 一一)
入院グッズは必要最低限だけでも妊娠初期から準備してた方がいいですよ
朝、9時からの妊婦検診。気づけばもう夜19時。ママと話しをして帰りました。今度は家の中を片付けなければ…( ;∀;)
それから1週間はママの体調は悪くはなかったのです。血圧の方も上がることもなかったので「これであれば自然分娩でも大丈夫」と説明を受け、少し安堵しましたね。
しかし、その安堵もつかの間でした…
3.突然の転院…
管理入院から1週間がたったお昼ごろです。ちょうど、仕事で外回りをしていたときに社用車の無線から、「病院から緊急の連絡がきたぞ。すぐに連絡しろ」急いで電話しようと携帯を見ると圏外…。
急いで電波が探して電話してみると、「血圧が上がって、容態が悪くなったので転院の準備して向かってください」と説明を受けた。急いで会社に戻り事情を説明して、病院に向かいました。
色んなことを頭の中で考えすぎて、パニック状態なりながらもお医者さんから説明を受けながら紹介状をもらって、荷物をまとめまた急いで転院先に向かいました。ママの容態はめまいと頭痛を起こしていて起きているも辛そうでした。
運転中も声をかけながら、転院先の病院へ到着。時刻はすでに19時を過ぎてました。病院入り口には助産師さんが車いすをもって、待機してたのを覚えています。
入院の手続きと荷物の整理を済ませたところでママは「疲れた…」と言いながら、寝てしまいました。その間、これからのことについて説明をされました。
「このままだと母体と赤ちゃんが危険な状態になります。予定日から1週間以上早いですが、産んでしまいましょう。そのために陣痛誘発剤を使います。それで産まれてくれればいいのですが、もしだめであれば帝王切開になるかもしれません。お母さんの方にはもう少し容態が落ち着いてからお話しします」
「お父さんもできれば近くいてほしいのですが、もちろん自宅に帰ってもよろしいんですが連絡してから向かってくるとなると、時間がかかると思います。あと、当病院は宿泊できませんのでどこかホテルなどで待機していただいて何かあればお母さんもしく病院の方から連絡します」
バタバタしながらも、ママの寝顔を少し見てから病院を後にしました。
病院を後にしたのがすでに22時を過ぎていました。たしかに今から自宅に帰っても夜中の2時くらい。宿泊先を探して、部屋に入ってベットに横なったら疲れがどっとでてきましたね。
いよいよ出産
次の日の朝、連絡が来なかったのでひとまずよかったと思いながら、準備をして病院に向かいました。病室に入るとこれから陣痛誘発剤を点滴をするとのことでした。
2人で和やかな気分になるように明るい話で話をしてました。そうこうしているうちに陣痛が始まりました。背中をさすったり、手を握って励ましたりしてましたが不安で胸がいっぱいでした。
だんだんと陣痛の間隔が短くなってきて、「部屋を移動します」と慌ただしくなってきました。移動する際も励ましの声をかけるだけしかできない。本当は出産も立ち会う予定でしたが、転院先の病院が行う両親学級に出ていないと立ち会うことができないと説明され、待合室で待つしかできませんでした。
待合室ではもうじっとしてられなかったです。そわそわして時計をじっとみたり歩き回ったりと落ち着かない。そうこうしていると叫び声が… 「ぎゃぁぁぁぁ」っと背中がぞわっとなったのを今でも感覚で覚えています。
分娩室に入って1時間ちょっと、待合室に助産師さんが入ってきて
「無事生まれました」
腰が抜けたような感覚と安堵が一気に押し寄せてきました。急いでママの元に行くと赤ちゃんを抱いていました。見た瞬間、「あぁ、よかった。頑張ったね」と抱きしめました。
後日談ですが、ちょっと珍しい体験を1つ。出産が終わった後に教えてもらったのですが、なんとママは分娩台を使ってなかったのです。
ちょうど、そのときに分娩室には3人出産中(そのなか1人がママ)だったそうで、分娩台が2つしかなかったらしく、ママは処置台?みたいなところで産んだそうです。そのせいか、出産費用が思っていたよりも半分ぐらいだったのでびっくりしましたね( ゚Д゚)
最後に
ながながと私の体験談を書かせていただきました。
都市部でも出産も大変だと思いますが、田舎での出産は都市部とは違う大変さがあると感じます。特に産婦人科がない地域もありますし、田舎は車社会ですから車がないといろいろ予定がたてれないときもあります。
これから田舎で家族を増やしたい、田舎に移住して家族を増やしたい、出産で里帰りをするなどいろいろ考えている人がいると思いますが、その地域の状況を先に調べておいた方がいいと思います。状況によっては大変になる場合もあります。
私はそれでも田舎での出産は大変でしたが、いい経験になったなぁーと思いましたね。